2018年03月28日

ガンジス川で呆然としたこと(37)@インド旅日記

ガンジス川で呆然としたこと(37)@インド旅日記



マニカルニカーガートへ行ってみた。

火葬場があった。

10体ほどの死体がサリーに包んである。


赤いサリーに包まれた死体は女性の、白いサリーに包まれた死体は男性だそうだ。


火葬場のある広場には、焚き木が組み合わされ、その二つが灰色の煙をあげていた。

人の焼ける匂い、その側で犬が何かをガツガツと食べている。

犬の目つきは鋭い。


サリーにまとわれた死体が、ガンガの水に浸って放っておかれていた。

火葬場の順番を待っている。


骨と皮だけになったような老人が、座ったまま眠っている。

彼はいつから死を待っているのだろう。


灰になった死体は、ガンガの中に投げ入れられる。

残りの灰は、乱暴にほうきで、河の中に投げこまれた。


骨と皮だけになった老人のそばで、子供達が何かをガツガツ食べている。


そのそばで小便をしている。


そして灰になった死体が投げ込まれた河のすぐそばで、人々は洗濯をし、体を清め歯を磨く。


ガンガの水は泥水のように茶色い。

この中にいると呆然とするしかない。

死がとても怖いと思った。


ガンガの大古からの遥かな流れに比べたら、その儀式は時の流れの小さな部分にしか過ぎない。


何かわけのわからないものが猛烈に迫ってくる。

ベナレスの街は、時の大きさを教えてくれた。

僕はこの街に少し長く居ようと思った。


長渕剛さんのガンジスという唄
ベナレスのガンガのことを歌った唄



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Posted by おきなべ at 12:56│Comments(2)インドの旅
この記事へのコメント
ベナレス(バラナシ)…
本当に生と死が混とんとしている所ですね
良い経験をされましたね

初めての海外で
6年前にデヘラードゥーンに
16日間 インド友の家にホームステイ
リシケシやハリドワールに
ガンジス河で沐浴 
息子の数個の骨も川の流れにゆだねました

また おいでと声はかけられるけど
まだ 二度目のインド行けてません

今度行ったら ガンジス川に流してもらうまで
住んでみたいと・・・

老婆の夢・・・かもですね (^▽^)/
Posted by 風のたみ at 2018年04月22日 16:08
風のたみさん
コメントありがとうございます。

初めての海外旅行がインド。
僕と同じですね。
沐浴もされたんですか?
僕は見てるだけでした。

2度目のインド
ぜひ。
僕も、リタイア後の楽しみなんです。
Posted by おきなべおきなべ at 2018年04月22日 21:02
 
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